おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

2007-05-01から1ヶ月間の記事一覧

天使の牙から ジョナサン・キャロル 創元推理文庫

愛すなわち生きることのすばらしさを歌い上げた直後に死すなわち絶望の淵に叩き落とすその繰り返しに船酔い状態。しかしながら、愛は虚構であるし、生きている限り死には出会えないから死もまた虚構である。って、感想にも何にもなっていないなあ。途中で警…

細野晴臣トリビュートアルバム

最初と最後に置いてある細野氏のデモバージョンがアクセントとなってすごくいい。 彼のメロディーと歌詞には、女性のウィスパーボイスが非常によく合うことよ(詠嘆)。 特に良かった曲。けだるいジャズになった「ハイスクール・ララバイ」。なんかイモ欽ト…

青い蛇―十六の不気味な物語 トーマス・オーウェン 創元推理文庫

珠玉の短編集「黒い玉」の残り半分が文庫化。東京創元社えらい! オールドスタイルの怖い話。黒い玉よりもつじつまの合わない、説明が足りない、つまりは一言で要約できない話が多くて魅力的。

異形家の食卓 田中啓文 集英社文庫

タイトルからして伊藤家の食卓の駄洒落。食をテーマにしたグロテスクな短編集。グロテスクは良いとして、何故駄洒落で全部ぶち壊ししてしまうのか。 それは、そうしたいからだ。 そして、読者に対する悪意という面もある。 一言でまとめると、それが彼の生き…

サバイバー・ミッション 小笠原慧 文春文庫

20XX年、スラム化する東京で事件は起きた! 警視庁捜査官・麻生利津は連続首狩り殺人の捜査を命じられ、人工知能ドクター・キシモトと共に犯人の闇の世界に踏み込む。 あれ?この本、羊たちの沈黙だったけ?的シーンで減点。せっかくの未来設定なのに、せ…

スパイダー パトリック・マグラア ハヤカワepi文庫

カナダから二十年ぶりに帰国した主人公。記憶が混濁し、歩くのもままならない。記憶を整理するために日記を書き始める。次第に日記の内容は過去と現在が入り乱れ始め、幻覚までもが混入してくる。少年時代に、父は母を殺し、娼婦が母と入れ替わって何食わぬ…

半茶が更新されない

本家サイトはローカルでは更新されているのだが、何故かアップロードする気になれない。

やっと目当ての本を見つける

パトリック・マグラアのスパイダーをやっと発見。読み始める。信頼できない語り手に飽き始めている自分に気がつく。

久しぶりにCDを買ってみる

細野晴臣のトリビュートアルバム。トリビュートアルバムは外れが多いのだが、これは当たり。ヘビーローテーション中。

空を見上げる古い歌を口ずさむ 小路幸也 講談社文庫

講談社BOOK倶楽部 内容紹介より 20年前、兄が言ったんだ 「誰かが<のっぺらぼう>を見るようになったら呼んでほしい――」みんなの顔が〈のっぺらぼう〉に見える――。息子がそう言ったとき、僕は20年前に姿を消した兄に連絡を取った。家族みんなで暮らした…

グロテスク パトリック・マグラア 河出書房新社

イギリスの田舎屋敷に新しい執事が来てから、屋敷が崩壊するまで。 語り手は屋敷の主人。植物人間で意識も混濁気味。記憶と妄想が入り混じる。全く信用できない語り手。 ゴシックとミステリの融合。グロテスクなゴシック風を味えますが、途中で物語を推進す…

キリサキ 田代裕彦 富士見ミステリー文庫

主人公の高校生は”キリサキ”と呼ばれるシリアルキラーなんですけど、冒頭で死んじゃうの。それで地獄に落ちるかと思ったら寿命が残っているということで生き返っちゃうの。そしたら、キリサキの犯行と思われる殺人事件が発生してびっくり。俺じゃないよー。…

シナオシ 田代裕彦 富士見ミステリー文庫

寿命を残して死んだ者は、生き返ることが出来るという設定を生かした別の話。自分が犯した殺人を防ぐために時を遡って行き返った主人公。ということでファンタジーというかSF。ファンタジーとすると丸く収まりすぎ。タイムパラドックス物として読むと、複雑…

続きを書く記法がうまくいかないので削除しました。

失われた探険家(奇想コレクション) パトリック・マグラア 河出書房新社

すごくいい短編集。人に勧めたくないほど、いい感じ。 ゴシック − ホラーを基調とした端正な描写力。幻想小説から信頼できない語り手まで、その着地点が予測できないところが良い。 巻末の著者紹介「もっとも信頼できる『信頼できない語り手』」に笑う。 積…

真夜中に捨てられる靴  デイヴィッド・マレル  ランダムハウス講談社文庫

世界で一番読まれている作家という実感は、少なくとも日本ではないよねえ。ランボーの原作「一人だけの軍隊 」は映画と違って暗い雰囲気がよかったなあ。 まだ見ぬ秘密 クーデータで逃亡する独裁者から命令された、謎の箱を死守する任務の行く先は。 何も心…

鏡姉妹の飛ぶ教室 佐藤友哉  講談社ノベルス

とうとう推理小説であることをやめた鏡家サーガ。突然の地震で地中に沈没した校舎の中でのサバイバル。途中で何故か”西尾維新的なもの”が大量に混入していて読み続けるのに苦労する。そこら辺を飛ばして読めば、骨格は古臭いほどの青春小説だったりするので…

クリスマス・テロル 佐藤友哉 講談社ノベルス

女子高生の冬子が衝動的に家出して孤島にたどり着く。 そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。 で、青年はパソコンでなにか作業している他は何もしない。 ポール・オースター? で、その男は小屋から消失する。 トリックはおざなり過ぎ…

水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪 佐藤友哉

勢いがついたので水没ピアノを探す行脚の旅へ。5軒目で確保。以前苦労して見つけた「名探偵 木更津悠也」を途中の店で3冊ほど見つける。もうすぐ文庫化か? 脳がいかれた妹に次々と殺される一家。フリーターは辛いよ。お友達の女の子を災いから守る小学生。…

エナメルを塗った魂の比重―鏡稜子ときせかえ密室 佐藤友哉 講談社ノベルス

パトリック・マグラワの失われた探検隊(奇想コレクション)が出ていたので購入。最初の二編を読んでみて、端正な・よく出来た・完成度の高い幻想小説に魅惑されつつ、なぜか破綻した佐藤友哉を一気読み。 人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲わ…