おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

《新装版》夢幻紳士〈マンガ少年版) 高橋葉介 朝日ソノラマ

怪奇・エロ・グロだったころの高橋葉介。歪んだユーモアがうれしい。 併録のクレイジー・ピエロは意図が空回りしているような気がします。これから良くなっていくような気もします。3回で終わったことが悔やまれる。 名作「腸詰工場の少女」も入ってお買い…

ひとりっ子 グレッグ・イーガン ハヤカワSF文庫

テクノロジーの発達により、常識やモラルが変容してしまった様子をいきなり突きつけるという手法に慣れてしまったせいか、期待ほど楽しめなかった。変化が問題となる常識やモラルの土台が西洋文化というかキリスト教的というか。 「行動原理」自由意志がテー…

少年トレチア 津原泰水 集英社文庫

制帽に白い開襟シャツと半ズボン姿の少年トレチア。動物も子供も大人も容赦なく惨殺していく少年トレチアは、誰なのか。緋沼の伝説。彼らが辿り着くところへ。 表紙(萩尾望都)とタイトルで耽美派少年愛小説と思っていました。読み始めるとサイコホラー。更…

崖の館 佐々木丸美 創元推理文庫

雪に閉ざされた洋館。その女主人。あつまった いとこ達。二年前に死んだ美少女。奇妙な事件が立て続けに起る。絵が消えるが、どの絵がなくなったかわからない。そして。 語り手である主人公の語り口が、昔の少女漫画の独白を思い起こさせる。己の内面に深く…

綺譚集 津原泰水 集英社

読了。面白い。面白い。なぜ二回繰り返す。 何故か、かすかに狙って書いているような気配がする。違和感の原因はそこらへんだろうか。 調べてみると著者の年齢と星座は、私のかみさんと同じであった。これは、私とは永遠に分かり合えない運命だという暗合で…

津原泰水フェアに突入したので検索してみる。そんなに著書が多いというわけでもないのでコンプリートするのもそんなに苦労はしないだろうと安堵する。ターミナル駅で一番文庫が揃っている大きめの本屋に行ってみる。新刊の「ピカルディの薔薇」(津原泰水)…

本屋に行ってみるが「ピカルディの薔薇」(津原泰水)は置いてなかった。「ブラバン」(津原泰水)は冒頭を読んで面白そうだ(でも冒頭のテクニックは筒井の流用だな)と思い次の機会へ。家に帰り置いてあった「綺譚集」(津原泰水)を掘り出し読み始める。…

ペニス 津原泰水 双葉文庫

勢いがついたので読んだまま積んでいたペニスを最初から読み始める。ロッカーから子供の死体が転がり出るところくらいで、濃密なというか粘度の高い息を抜く暇がない文体に息苦しくなって一休みしたまま放置していたのだった。息苦しいので仕方なく息を止め…

蘆屋家の崩壊 津原泰水 集英社文庫

あ、そうなんだ。と思い積んであったはずの蘆屋家の崩壊を探す。滅多にないことだが、すぐに見つかる。背表紙にブックオフの値札が貼ってある。よく探せば新刊で買って積んだままになっているのもあるはずだが、腐海の底まで降りる気にはなれない。 なんで積…

夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦 角川書店

「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々。登場人物すべて魅力的なキャラクター。奇想天外な、でも作者が描く京都なら起りかねないとんでもない事件の数々。ヒロインの魅力、主人公の真摯…

幽界森娘異聞 笙野頼子 講談社文庫

森鴎外の娘であり作家森茉莉の評伝であり猫の物語。泉鏡花文学賞受賞作 テキストから森娘(森茉莉)の在りし方をつらつらと述べると同時に結局猫の話。 面白かったので、急遽「贅沢貧乏」(森茉莉)を読み始める。これまた面白い、耽美派勘違い婆さんかと思…

ジョン平とぼくと2 ジョン平と去っていった猫 大西科学 GA文庫

感想書いたらはてながinternal Server Errorで全部とんでしまったので、最初から考え直す。 大原まり子の「一人で歩いていった猫」とは多分関係ない話。 いきなり知らない女の子が現れて、追われているからかくまってと訴える。追われてみたのは伊豆の鹿、と…

驚いたことに、というか驚くこともないのだがさっぱり雑文がかけなくなっていて、まともでない妙な文章を追及してきた副作用であろうか。あろうことか日記も書けない体になってしまった。しょうがないので手帳にテキストの断片を書き連ねる毎日。ここに書い…

クリスマス・プレゼント ジェフリー・ディーヴァー 文春文庫

リンカーン・ライム シリーズで知られるジェフリー・ディーヴァーの短編集。去年出たときに買っておいたような気もするのだが、積んであったので衝動買い。 短編集なのに560ページもある分厚い本で、センス無い。短編集が分厚くて悪いかと言われれば特に…

のだめカンタービレ(1〜13巻) 二ノ宮知子 講談社

一日一巻のペースで読み中。いまさらながら、おもしろいね、これ。今どきの少年漫画より登場人物が練習しているところが好ましい。イヤーボーンはもういいよ。

パズル崩壊 法月綸太郎 集英社文庫

「重ねて二つ」 男女の上半身と下半身をつなげた死体が一つ。密室からどうやって死体の残りを運び出したか、というトリックにのみに集中するために、犯人は誰かという謎はわざとなおざりにされている。短編だと仕方ないとは言え物足りない。 「懐中電灯」 懐…

キングとジョーカー ピーター・ディキンスン 扶桑社ミステリー

サンリオSF文庫の復刊。現実と異なる英国王室を舞台とした話であるがSFにあらず本格ミステリ。王宮に、悪質ないたずら者が出現。ヒートアップするいたずらは、ついに殺人を引き起こす。 やんごとなき方々の内輪と外面を描くために、(いろいろ差し支えあるか…

スノウホワイト グリムのような物語 諸星大二郎 東京創元社

グリム童話自体が不気味な話であるから、アレンジも明快な話に整理するよりは、わからないものをわからないまま示すほうが良い。 わからないものをわからないまま描くと言えば、諸星大二郎。 カラバ公爵で一ページに描かれた「長靴をはいた猫」がいいな。猫…

晶文社ミステリ板のみ収録

カームジンと『ハムレット』の台本 コンゲーム。英文学に詳しくないので落ちがよくわからなかったのが残念。 刺繍針 ワンアイディアの推理小説。犯人の設定がさりげなく不気味。 狂える花(雑誌掲載版) 描写が比較的あっさりしている。

壜の中の手記 ジェラルド カーシュ 角川文庫

豚の島の女王 孤島で発見された四体の奇形の骨に秘められた悲しい物語。 黄金の河 意思を持ったサイコロの話。ほら話系。 ねじくれた骨 終身刑の囚人と脱走の話。組み立てを変えればまっとうなミステリになりそうな話。人生の逆説の話となっている。かなり好…

風邪が抜けきらないまま新幹線日帰り出張。案の定、梅田駅前で道に迷い途方に暮れる。