おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

妖怪ハンター 天の巻 地の巻 諸星大二郎 集英社文庫

初出が1974年かあ。「生命の木」が映画化されたおかげか、妖怪ハンターも再版。 後ろの方になるほどストーリーテーリングがうまくなって、ページ数も長めになっているのがわかる。逆に初期の方が語り口にエッヂが立っていて、読者への印象が強いように思われ…

13のショック 異色作家短篇集(4) リチャード マシスン

リチャード マシスンの悲劇は「ミステリーゾーン」に関わったことで、相当な奇想を繰り広げても、なんとなく何処かで見た感触がしてしまうことだと思う。ミステリーゾーン的タッチはもともとマシスンのものだったのだが。そういうハンデを差し引いても面白い…

クライム・マシン ジャックリッチー 好野理恵訳 晶文社

久々のランニングホームラン。 殺し屋の元に、タイムマシンで犯行現場を見てきたという男が現れる。 カジノにルーレットの必勝法を編み出したという数学教授が現れる。 4セントとチェリーキャンディのために人を殺す話 冤罪とされて釈放された男が、嘘の証言…

どんがらがん アヴラム・デイヴィッドスン 殊能将之編 河出書房新社

ちゃんとしたものを書こうと思えば書けるのに、ちゃんと書いて何が面白いのか! という風に書き続けていると、一般受けしないという運命が待ち受けている。 かなり読者を選ぶ奇想小説集。 表題作である「どんがらどん」はカーニバル的な華やかさに満ちている…

”アップルのiMac G5欲しい!” と、書いてみたが実際のところは微妙なような気がする。高いし。 インテルCPUマックの実機が出るのは何時なのだろうか…。

壁抜け男 マルセルエイメ 訳:長島良三 角川文庫

異色作家短篇集なるべく買わないぞ同盟の活動報告。角川文庫を買ってみました。壁を抜けることが出来る男とか同時に複数の場所に存在できる女とか、奇想から出発して静かに終わる話が多くてかなり好みの話でした。弱者への優しい視線に心温まります。収載作…

一角獣・多角獣 シオドア・スタージョン 訳:小笠原豊樹 早川書房

異色作家短篇集を(3)から買ってみる。 一角獣の泉 死ぬまでには読んでおく価値があると思う。 熊人形 こういう時間軸の処理のテクニックは珍しい。しかも効果をあげている。 ビアンカの手 「海を失った男」にも収載。だれも共感できない異常さを題材にして、…

小鼠ニューヨークを侵略 レナード・ウイバーリー 創元推理文庫

ハリイ・ハリスン のステンレススチール ラット シリーズ(未読)と混同していたよ。 復刊ということで読んでみました。ヨーロッパ小国が成り行きでアメリカに宣戦布告して、あろうことか勝ってしまうという話。おおらかなユーモアが全篇を覆っていて、終始…

「沙高楼綺譚」 浅田次郎 徳間文庫

不見識にも浅田次郎の本を読むのは初めて。大して期待もせずに読み始めるが、面白い。各界の名士たちが集う「沙高楼」。世の高みに登りつめた人々が、ミステリアスな女装の主人に誘われ、秘密を披露しあう。稀代のストーリーテラーによる息を呑む驚愕の物語…

下流社会 新たな階層集団の出現 三浦展 光文社新書

一般向けに社会現象の分析をしてみせる類の本だと、理系の目で見ると論理的でなかったり、こじつけだったりするのが明らかで、それゆえ説得力を感じられないものがほとんどなのですが、これは説得力があるように感じられた。私が、この本で述べられていると…

短編好き

本を買えるところまで復活したが、本をすらすら読めるまでには回復せず。ぼちぼちと「壁抜け男」と「ほとんど記憶の無い女」と「どんがらがん」を平行してちびちびと読み進める。できのいい短編を読めるというのはほんと幸せだなあと思う。