ペニス 津原泰水 双葉文庫

勢いがついたので読んだまま積んでいたペニスを最初から読み始める。ロッカーから子供の死体が転がり出るところくらいで、濃密なというか粘度の高い息を抜く暇がない文体に息苦しくなって一休みしたまま放置していたのだった。息苦しいので仕方なく息を止めたまま一気に読む。
推理小説と幻想小説の幸福な結婚。ポルノ小説でもあるので万人にはお勧めできないのが心苦しい。しかし性交しないポルノ小説、謎の解決が即ち次の謎となるスパイラル、幻想なのか夢なのか基地外なのか本当に起ったことなのか。

かなりお勧めの本です。生きたまま死んでいるようだと言われるインポの主人公に共感できれば更にお勧め。