おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

サウンドトラック 上・下 古川日出男 集英社文庫

コインロッカーベイビーズ的。親と引き離された時に過酷な目にあった血の繋がらない捨て子の”きょうだい”が離島で育てられ、都会に出て、破壊する話。
いかにして法螺or嘘を核として物語を推進させるかということ。
異なるエンジンが多数搭載されたため、馬力はあるがどちらに進もうとしているのか、助手席に乗せられた私はよくわからない。身の危険を感じながらも、目の前に次々と繰り広げられる景色を楽しむのか、行き先がわからないドライブに苛立つか選択する自由は読者にある。
ヒツジコとトウタの人生が再び交わったところ。(それを読みたかったなあ。)
ボーナストラックの「杉並区洪水警報」が、本編と対比して、いかにも静かで私好みでした。