おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

翼とざして アリスの国の不思議 山田正紀 カッパ・ノベルス

70年代、南洋の孤島・鳥迷島に上陸した右翼青年のグループ。彼らしかいないはずの島。
わたしは、わたしが崖から人を突き落とすのを見た……。さらに惨劇が連続する。

最近の山田正紀のテーマであるアイデンティティの揺らぎが存分に描かれている。サスペンス・スリラーとしては評価できるけど、本格としては苦しいような気がする。

登場人物の多くが奇矯な行動をとるのだが、その理由が苦しい。不連続殺人事件のように、奇矯な行動のように見えて実はトリックならば膝を打つのだが。
続編は既に書かれているそうなので、このモヤモヤ感をひっくり返すような、とんでもない仕掛けがあるのではないかと期待。