マーク・トウェイン短編集 新潮文庫
昭和三十六年発行 平成十六年五十七刷
トムソーヤもハックルベリーも新訳が出た(未読)のを記念して短編集をゲット。正直言って活字が小さい。アメリカ流ホラ話に対する間合いの取り方というのが未だに良く判らないということと、百年前の小説ということが相まって評価に困る。素朴に読めばいいのかなあ。
- 私の懐中時計
時計の調整を頼んだら、直せば直すほどどんどん悪くなっていって……。アメリカ流だんだんエキサイトしていくホラ話のようにも読めないこともないが、告白だなこれ。よくこんな話を冒頭にもってきたな。
- 私が農業新聞をどんな風に編集したか
サイコが人が振り回す話。
- 百万ポンド紙幣
うってかわって良く出来た現代のおとぎ話。百万ポンド紙幣一枚だけで他に何ももたない状況で一ヶ月生活できるかという賭けのために主人公は……。
- 噂になったキャラベラス郡の飛ぶ蛙
アメリカ流ホラ話。
- エスキモー娘のロマンス
都会と北極では金銭の価値が違うということを題材にとったホラ話だか寓話だかエスキモー差別だか都会人差別だか解釈に困る話。
- 実話
黒人奴隷の母親が家族と離れ離れになって……。単純な話だが泣ける。
- ハドリバーグの町を腐敗させた男
正直・誠実をモットーとする町ハドリバーグに百六十ポンドの金貨が持ち込まれたとき……。
ということで最初の二編がヒットしました。