おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

ディアスポラ グレッグ・イーガン ハヤカワ文庫

イーガンの作品は言うまでもなく本格SFだと思いますが、ハードSFと言われるとなにか違和感がある。SF的アイディアで、とんでもない結論に達してくれないとハードSFとしては物足りない。そういう意味では、この作品の冒頭直前がハードSFに該当すると思う。人類が変革した後の話を綴る本作品は、冒頭以前の大変革(人類が肉体を捨てて電子空間に生きる)以降の変革は、タイムスパンが非常に長いにも関わらずたいした変化ではないように思えて仕方がない。
話の骨格はオーソドックスな、ある孤児の誕生から旅の終わりを描いたもので、後半はいつものように怒涛の早送りで、そこらへんアイディアの無駄使いのような気がしてもったいないなあ。