おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

三杯目にはそっと出し

「『氷を三杯も食ったら腹を下すのはあたりまえだろ。』 こういう会話(というか言葉)聞いたのだが、やけに気になってね。」
私のなにげない話に針井探偵は食いついてきた。
「なるほどイチゴシロップだったのだな。」
「なんだねそれは。」
「普通かき氷を注文するときは、一人一杯というのが常識である。何故彼は三杯も注文したのか。それはイチゴシロップのかき氷を食べたかったからなのだ。」
「別にイチゴシロップでも一杯を注文すればいいではないか。」
「君は重大なことを見落としている。イチゴシロップの色を。」
「イチゴシロップというと赤……ハッ!それは!」
「そう、赤色は通常の三杯というのが常識ではないかね。では、何故腹を下す危険を犯してまで、彼は赤いかき氷を食べなければいけなかったか。三杯も食べればかき氷をこぼさずに食べることは常人には不可能。すなわち、赤いシロップをこぼすために三杯も食べたのだ。」
「なぜかれはそんなことをする必要が…。」
「木の葉を隠すには森の中へというではないか、赤い色を隠すには赤い色の中に……。 そう、彼は自分の服についた血痕をごまかすために赤いものを服にこぼしても不思議ではない状況を作り出したのだ。そして、同時にそれは腹を下すのは当然の状況となる。しばしば中座して下痢の為にトイレに行くと見せかけて死体の始末をしていたに違いない。」
「しかし、まだかき氷の季節にはちょっとあるではないか。その店にかき氷がメニューになかったらどうするんだね。ごまかせないではないか。」
「その男が特定できたなら、その男の台所を捜索してみればよい。きっとこぼしても不思議でない赤い色のものが大量に見つかるだろう。」
「針井探偵、自分の推理に酔っているのは勝手だが、それを言われたのは実は私なんだよ。いやあ食い意地が張っていて申し訳ない。というわけで君の推理はハズレというのは、申し訳ないが私が一番よくわかっているんだ。」
「いやあ、これは一本取られた。」
「ところで針井探偵、そのTシャツの赤いものは何だね。」
「ああ、これかい。これは趣味で漬けている梅干をこの前土用干ししてね。梅干を入れ替えている時に漬け汁をこぼしたのさ。ああ、そろそろ梅干を床下の壷に入れ替えなきゃ。ちょっと失礼するよ。」
針井探偵が地下室に消えて行くのを見届けてから、私は外に待機している警部補に、そっと突入の合図を送った。

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日曜虎、梅干殿下雑文祭
http://www.asahi-net.or.jp/~bh3h-smjy/zuiso/d338.htm
1)文中に次の語句を必ず用いること。
・「梅干」
・「酸」または「酔」
・「食い合わせ」(「食中毒」「下痢」も可)
・「床」の文字が含まれる熟語(「寝床」「病床」「床に就く」「ひょっ床」など)

2)文中に次のフレーズを必ず用いること。
・「氷を三杯も食ったら腹を下すのはあたりまえだろう」(「腹を下す」を「クソ漏らす」とするなど、意味が変わらない範囲で多少変化させるのは構いません)

3)オールスターなのに藤本のような打率の低い物体を登場させること。
  ※オールスター:針井探偵、助手(私)、警部
  ※打率の低い :針井探偵の推理が的中する打率

※期間:2005/7/19〜2004/8/6(次の御用。アーッ)

※脱皮はなるべくご遠慮下さい。すでに今岡である方はこの限りではありません。(2005/7/22変態)すでに東出である方は前進守備とか牽制球の意味を小一時間考えて下さい。(2005/7/20失態)

※参加作品は自サイトにup せず、このページに向けてリンクも貼らないでください。後日こちらからはリンクしません。すべては気合と根性でなんとかするべし。