おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

キリサキ 田代裕彦 富士見ミステリー文庫

主人公の高校生は”キリサキ”と呼ばれるシリアルキラーなんですけど、冒頭で死んじゃうの。それで地獄に落ちるかと思ったら寿命が残っているということで生き返っちゃうの。そしたら、キリサキの犯行と思われる殺人事件が発生してびっくり。俺じゃないよー。…

シナオシ 田代裕彦 富士見ミステリー文庫

寿命を残して死んだ者は、生き返ることが出来るという設定を生かした別の話。自分が犯した殺人を防ぐために時を遡って行き返った主人公。ということでファンタジーというかSF。ファンタジーとすると丸く収まりすぎ。タイムパラドックス物として読むと、複雑…

続きを書く記法がうまくいかないので削除しました。

失われた探険家(奇想コレクション) パトリック・マグラア 河出書房新社

すごくいい短編集。人に勧めたくないほど、いい感じ。 ゴシック − ホラーを基調とした端正な描写力。幻想小説から信頼できない語り手まで、その着地点が予測できないところが良い。 巻末の著者紹介「もっとも信頼できる『信頼できない語り手』」に笑う。 積…

真夜中に捨てられる靴  デイヴィッド・マレル  ランダムハウス講談社文庫

世界で一番読まれている作家という実感は、少なくとも日本ではないよねえ。ランボーの原作「一人だけの軍隊 」は映画と違って暗い雰囲気がよかったなあ。 まだ見ぬ秘密 クーデータで逃亡する独裁者から命令された、謎の箱を死守する任務の行く先は。 何も心…

鏡姉妹の飛ぶ教室 佐藤友哉  講談社ノベルス

とうとう推理小説であることをやめた鏡家サーガ。突然の地震で地中に沈没した校舎の中でのサバイバル。途中で何故か”西尾維新的なもの”が大量に混入していて読み続けるのに苦労する。そこら辺を飛ばして読めば、骨格は古臭いほどの青春小説だったりするので…

クリスマス・テロル 佐藤友哉 講談社ノベルス

女子高生の冬子が衝動的に家出して孤島にたどり着く。 そこで出会った青年から冬子はある男の「監視」を依頼される。 で、青年はパソコンでなにか作業している他は何もしない。 ポール・オースター? で、その男は小屋から消失する。 トリックはおざなり過ぎ…

水没ピアノ―鏡創士がひきもどす犯罪 佐藤友哉

勢いがついたので水没ピアノを探す行脚の旅へ。5軒目で確保。以前苦労して見つけた「名探偵 木更津悠也」を途中の店で3冊ほど見つける。もうすぐ文庫化か? 脳がいかれた妹に次々と殺される一家。フリーターは辛いよ。お友達の女の子を災いから守る小学生。…

エナメルを塗った魂の比重―鏡稜子ときせかえ密室 佐藤友哉 講談社ノベルス

パトリック・マグラワの失われた探検隊(奇想コレクション)が出ていたので購入。最初の二編を読んでみて、端正な・よく出来た・完成度の高い幻想小説に魅惑されつつ、なぜか破綻した佐藤友哉を一気読み。 人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲わ…

惑星P-13の秘密 高橋源一郎 角川文庫

ブックオフで文庫を見かける。ハードカバーより挿絵が多いような気がしたのでゲット。 二台の壊れたロボットのための世界文学全集。ボルヘスっぽかったりカルペンティエール風だったり。悪くはないんだけど、ポストモダン的に軽めの要素を追加してみたら全部…

独白するユニバーサル横メルカトル 平山夢明

肉体的な痛みの描写に弱いので、読後ぐったりしています。しばらく立ち直れそうにありません。

双生児 クリストファー・プリースト 早川書房

面白い。ネタバレで申し訳ないが、1ページ目から米中戦争って書いてあるからこれくらいはいいか。 信頼できない語り手と歴史改変物の組み合わせが、こんなに相性が良いとは思わなかったよ。 ええと、あとは言い難いな。プリーストには珍しく、 (中略) 物…

現実に対して現実感を持てない状況が更に進行して、虚構に対しても現実感が持てないようになってしまう。 フィッツジェラルドの文体をそのまま訳すと、どうしても日本語のリズムと合わないような気がする。野崎訳は、苦労してなんとか日本語のリズムに乗せよ…

小生物語 乙一 幻冬舎文庫

ウエブネタ日記として読むとさすが、レベルが高い。ソファの少年とか。 終わり方も美しい。 乙一って武蔵中原と武蔵小杉の中間に住んでいたことがあるのか。 ちょうどそのあたりに住んでいたことあるなあ。

速読(というか飛ばし読み)

そういえば、この前、久々に早く本を読むモードにスイッチが入ってしまった。小学生の時に立ち読みで自然と開発された読書法。 ページを眺めた時に、段落ごとにストーリーに関するものか、風景の描写か、登場人物の説明か判断する(というか勝手に判断される…

積読

積読を減らそうと、一番下の階層から本を引っ張り出してくる。一番古そうなのが「百年の孤独」1988年29刷。積読が発生し始めたのが子供が生まれた頃ということが良く分かる。結婚前までは、何冊買ってきても朝までには読み終えたものだったがなあ。なにしろ…

約束の地・スノウ外伝 いしかわじゅん ハヤカワ文庫

80年代前半に先鋭的ギャグ漫画家だったいしかわじゅんの傑作。 「約束の地」進行性農夫病…これに罹患するとすべてを耕したくなるという恐ろしい伝染病。このウイルスを巡って暗躍する政府組織。そしてキリストの謎とは。という話をギャグマンガの描線で描い…

やみなべの陰謀 田中哲弥 ハヤカワ文庫

ライトノベルなのに、こちらは心から楽しめる。どちらも願望充足小説なのに、何故だろう。読者に対する悪意の存在が鍵になるような気がしている。

「クビキリサイクル」(西尾維新)を子供が熱狂して読んでいる。

ねえねえこの話の続きは?このお話の前にもお話があるようなんだけど本になっているのかなあ。続きを買って買って。で、クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識、クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子、サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し、サイコ…

「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか 仲俣暁生 舞城王太郎 愛媛川十三 バジリコ

評論集 取り上げられている本で読んでいないのが沢山あるので困る。

星新一―一〇〇一話をつくった人 最相葉月 新潮社

まあ、よく調べてあるなあ。 理系のある意味モヒカン族筆頭である星新一の本質に迫りきれてないのではないかという疑念を拭えないのが惜しい。で、夫人の独り言を隠れ蓑にして愛の告白なんかしてるし。 ファンとしては星新一の頭の中を覗くには、エッセイ集…

インヴィジブル・モンスターズ チャック・パラニューク 早川書房

ファイトクラブ以前に書かれて編集者に没にされた話。 事故で顔を失った元モデルが主人公。婚約者の裏切り。エイズで死んだ兄。死んだ後も父母の愛情を独り占めにする兄。時間と空間をシャッフルして語り出される、その真実とは。 最初からあまりにも肉体的…

私家版魚類図譜 諸星大二郎 講談社

鳥類に続く魚類図譜。魚と諸星大二郎の絵柄は合いそうでいて、微妙にどうかなあと言った感じ。やはり海が題材となると想像力の方向が、飛翔するよりも、深く潜っていく感じになるのだなあ。

百万のマルコ 柳広司 東京創元社

獄中では退屈が何よりの敵。獄中のマルコポーロが話す異国の話は、囚人たちの退屈を追い払う。しかし話が終わると、必ず謎が一つ残る。 ということで、黒後家蜘蛛の会方式の連作短編集。 短編推理小説は大好きなので、楽しく読みました。 惜しむらくは作者が…

大久保町の決闘 田中哲弥 早川文庫

兵庫県明石市大久保町はガンマンの町である。というギャグ。主人公の変な性格。なんだか妙にうまく運んでしまうプロット。あー面白かった。 こーゆーのは素直に面白がれるのに、いわゆるライトノベル的お約束にはいちいち引っかかるというのは何故だろう。よ…

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い 西尾維新 講談社ノベルス

主人公の相棒がコンピューターの世界的エキスパートなのはいいけど、髪の毛が青色ということが最後まで引っかかって物語に乗れぬまま読了。主人公はいつになったら”戯言”を言うのかなと思ったら最後までなし。戯言”遣い”なんだから、世界の見方を引っくり返…

フリッカー式 佐藤友哉 講談社文庫

妹が自殺。そしたら、自殺の原因はレイプで犯人はこいつらと教えにくる謎の人物。復讐のために犯人の娘達を誘拐監禁する主人公。跳梁跋扈する突き刺し殺人犯。 いかれた兄弟物ということでどうしても舞城王太郎のデビュー作を連想。佐藤友哉の方が、推理小説…

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹 富士見ミステリー文庫

転校してきた少女は自分を人魚だと言い張る。それは父親からの虐待が原因だった。悲しい結末へ一直線。主人公の父親が不在で、虐待父の描かれ方がパターン的で、単なる悲劇発生装置の位置づけであり、この小説には父性の不在を強烈に感じる。子持ちの私にと…

夢幻紳士外伝 I、II  高橋葉介 朝日ソノラマ

青年で定宿のある夢幻紳士。幻想譚としてはこのシリーズが一番いいかも。

巨船ベラス・レトラス 筒井康隆 文芸春秋

冒頭いきなり爆弾が爆発でサービス満点。でも昔だったら主人公が爆発に巻き込まれるのになあ。登場人物の場所が次第に船に移動する描写はさすが。各エピソードの結末がそれぞれ消化不良なのは、わざとやっているのだろうが、それが成功しているのかしていな…