おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

百万のマルコ 柳広司 東京創元社

獄中では退屈が何よりの敵。獄中のマルコポーロが話す異国の話は、囚人たちの退屈を追い払う。しかし話が終わると、必ず謎が一つ残る。
ということで、黒後家蜘蛛の会方式の連作短編集。
短編推理小説は大好きなので、楽しく読みました。
惜しむらくは作者がアシモフほど博覧強記ではないことと、異国情緒を描き出すことにあまり力を注いでいないことか。謎解きにコジツケっぽいところが二三あるのも黒後家方式か。もうちょっと登場人物の造形に力を入れていれば名作になったかも。