おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

ジョン平とぼくと2 ジョン平と去っていった猫 大西科学 GA文庫

感想書いたらはてながinternal Server Errorで全部とんでしまったので、最初から考え直す。
大原まり子の「一人で歩いていった猫」とは多分関係ない話。
いきなり知らない女の子が現れて、追われているからかくまってと訴える。追われてみたのは伊豆の鹿、と鹿の話かと思えば、赤い猫を探しに来た賞金稼ぎが現れる。前巻で存在感が大きい割には何もしなかったパンダ(父親の代理)が大暴れ、の割には説明はなし。
前巻で、(小説をあまり読んでない人には評判悪かった)スクールカーストのやや下描写は、春休みということもあって描写なし。わざとなのか意図してなのかよくわかりません。テーマを際立たせるために削除されたのかもしれません。
さて、ネタバレを避けるためにぼかしますが、本書のアイディア(えーと、猫の能力についての話です、くらいは書いて良いかな)は、もう一歩で(最近のSFの流行であるアイデンティティとは何か)というところに到達しそうなのですが、あえてそこまでは踏み込んでいない。ジュブナイルという枠を意識してか、シリーズ物でそこまでやると話が崩壊するためなのか。作者にしては踏み込みが足りないような気がしましたが、わざとなのかなあ。
賞金稼ぎと悪友の対決と重の突っ込みの場面とか、車から降りたあとの場面とか、雑文書きで鍛えたひねくれたユーモアにくすくす笑いました。
2巻まで読んだ感想としては、なんだか連作短編を読んだような感触。長編の割りに重君が成長したり重要な決断したり大活躍したりしていないように感じられるからでしょうか。
あと、なんだか悪の裏方みたいな人が出てきましたが、ちゃんと悪い人という説明がなされていないような気がしました。裏読みですが、ひょっとしてファイル共有ソフトのプログラマーが流出した違法ソフトの後始末をしているというふうな、技術者とモラルという話になるのではと期待。
今回も伏線投げっぱなしジャーマン炸裂ですが、面白かったので次作にも期待。