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おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

壷中の天国 倉知淳 角川文庫

第一回本格ミステリ大賞受賞作。
無差別に思われる通り魔連続殺人。手がかりほとんどなし。被害者の共通点もほとんどなし。犯行声明のような電波文のような。容疑者は町の住民全員。
倉知淳は猫丸先輩シリーズしか読んでなかったので、キャラクター重視のリアリティーが比較的薄い作風かと思っていましたが、本作はなかなか。
祖父と母と娘の生活が生き生きと描かれている。さまざまな人物が登場するのだが、これまたみな生き生きと描かれる。倉知淳ってこんなに小説上手かったっけ?と思いながら読み進める。その生き生きと描かれているという点が既にトリックの一環というのが本格ミステリの恐ろさである。
冒頭に電波文が置かれるのだが、電波文の毒電波成分が薄いのが悔やまれる。つくづく悔やまれる。