おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

神様ゲーム 麻耶雄嵩 講談社ミステリーランド

子供向けのジュブナイルらしく、フォーマットに沿ってお話は進みますが、そこに乗っかってくる事件が、ことごとくイヤゲ。作者の悪意が炸裂。子供が真面目に読めばトラウマ必至。
神の如く真相を見抜く探偵を追究すれば、究極的には神が探偵ならいいじゃん。ということで神様が登場。神様だから推理する必要も無く犯人がわかる。犯人を断罪するなんて神ならぬ人間である探偵に許されることであろうか、などと悩む必要も無く天誅。これだと後期クイーン問題も発生する余地がないという、非常に理知的な構成。しかし主人公の少年(とそれに感情移入している読者)は、えらい目に合います。トラウマになること必至。

とりあえず麻耶雄嵩は一通り目を通したことになりますか。次回作が楽しみです。ミステリが売れない時代に突入したそうなので、ちょっと心配です。