おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

「沙高楼綺譚」 浅田次郎 徳間文庫

不見識にも浅田次郎の本を読むのは初めて。大して期待もせずに読み始めるが、面白い。

各界の名士たちが集う「沙高楼」。世の高みに登りつめた人々が、ミステリアスな女装の主人に誘われ、秘密を披露しあう。稀代のストーリーテラーによる息を呑む驚愕の物語。(amazonの紹介文)

女装の主人が狙いすぎだとか、無駄な改行や描写がそこここにあるとか、世間に対するエクスキューズが配置されているとか、砂を抜き忘れた貝料理のようにそこにさしかかるとジャリジャリ頭の中で音がなるのには参ったが、それを抜いても面白い話満載。

個人的には冒頭の「小鍛冶」が一番面白かった。京極堂なら上中下三分冊くらいの大作になるような話。あと二ひねりしたくらいが私の好みなのだが、上に書いた(私にとっての)欠点をものともしない語り口のうまさ。