おそらくは半茶のblog

流行に乗り遅れてはいかん!とブログをはじめてみたおっさんです。

「Wの悲劇」夏樹静子 角川文庫

雪の山荘もの。製薬会社会長の孫娘が、会長を刺し殺してしまう。別荘にいた者は一致団結して孫娘をかばい、外部の者の犯行に見せかけようとする。しかし、この偽装工作が警察にばれるよう細工する謎の人物が。

薬師丸ひろ子主演の映画は、原田知世主演の「天国に一番近い島」かなんかの併映で見に行った様な気がする。 「天国に一番近い島」は、とり・みきが観光客として出ているから見に行ったような記憶がある。

映画「Wの悲劇」は劇「Wの悲劇」のヒロインを演じることになるヒロインが典型的なバカ女で、世良正則演じる良い人だけどバカ男を振り回した結果、一人残らず不幸になってめでたしめでたしという、私にはその価値がよくわからなかった映画。バカがバカたちの間でバカを発揮して皆不幸にあるという、今の政局を風刺していると考えれば気が楽になるかもしれない。それとも私たち自身を風刺している映画でもあろうか。映画内では、劇「Wの悲劇」の盛り上がる場面だけ使われていてネタバレなどしていた。贅沢な使い方だけど原作者は良く怒らないなあと思った記憶がある。

映画を先に見たので小説は読んでいなかったのだが、愛蔵太氏がえらく誉めていたので古本屋を探してやっとゲット。昭和59年第三刷。しばらく読んでいて違和感の正体に気がついた。漢字にルビが振ってある。薬師丸ひろ子目当ての小中学生に配慮していたのであろうか。

地味に展開して地味に解決するので、ああそうですかという感じ。名探偵役がいないというのが原因であろうか。主人公の存在感が薄い。いなくてもいいような気がする。会長の孫娘の性格がなあ。もうちょっと複雑な性格にしないと説得力がないような気がする。でもそうすると話が違う展開をとらざるを得なくなるから、それはそれでしょうがないのかも。

Wには複数の意味を込めていると書いてあったので、ワンダーウーマンの悲劇とかワンダーフォゲルの悲劇とか和田アキ子の悲劇とかワシは広島じゃケンの悲劇とか鷲は舞い降りたの悲劇とかWASPの悲劇とかの意味が込められているに違いない。残念ながらそこまで読み取れなかったが。